Webシステム開発における非機能テストの自動化

システム開発

Webシステム開発における非機能テストの自動化は、以下のようなツールや手法で実現できます。

  1. ロードテスト/パフォーマンステスト
    • Apache JMeter: マルチスレッドでHTTPリクエストを発行し、システムの負荷をかけてパフォーマンスを計測できます。
      具体例として、JMeterのスレッドグループにユーザーシナリオを記述し、多数の仮想ユーザーでサイトにアクセスしてレスポンスタイムなどを計測できます。
    • k6: 開発者視点のロードテストツールで、JavaScriptでシナリオを記述します。
      具体例として、k6でAmazon Lambdaのように短期間の負荷テストを行い、バースト時のレスポンスを確認できます。
  2. セキュリティテスト
    • OWASP ZAP: Webアプリに対する自動ペネトレーションテストができるオープンソースツールです。
      具体例として、SQLインジェクションやXSSといった一般的な脆弱性に対してアプリをスキャンし、リスクを検出できます。
    • BurpSuite: プロキシ機能や自動スキャンを備えたWebセキュリティテストツールです。
  3. モニタリング
    • Prometheus: メトリクスの収集と監視が行えるオープンソースツールです。
      具体例として、Webサーバーの負荷やDBの接続数、キューの長さなどをPrometheusでモニタリングできます。
    • DataDog: クラウドモニタリングサービスで、メトリクスやログ、トレースを一元的に収集・可視化できます。
  4. アクセシビリティテスト
    • axe: Webアクセシビリティ自動チェックツールです。視覚障害者などに配慮したアクセシビリティチェックを行えます。
      具体例として、axeDevToolsを使いChromeの開発者ツールから直接アクセシビリティをチェックできます。
  5. パフォーマンス分析
    • Lighthouse: Googleが提供するWebサイトのパフォーマンス分析ツールです。
      具体例として、LighthouseでWebサイトのパフォーマンススコアを計測し、改善余地を特定できます。

これらのツールを組み合わせることで、機能テストだけでなく、負荷、セキュリティ、アクセシビリティなど、幅広い非機能要件についての自動テストが可能になります。自動化により、手作業による網羅性やミスを低減でき、継続的なテストの実施が容易になります。ただし、ツール選定や自動テストの構築にはある程度の工数がかかることに注意が必要です。

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