MVCアーキテクチャパターン

システム開発

WebシステムにおけるMVCフレームワークとは、Model-View-Controllerアーキテクチャパターンに基づいて設計されたアプリケーションフレームワークのことを指します。MVCは以下の3つの主要コンポーネントから構成されています。

Model

  • アプリケーションのデータとロジックを表すコンポーネント
  • データベースやAPI通信を扱うロジックを含む
  • 具体例: Ruby on RailsのActiveRecord、Laravel(PHP)のEloquent

View

  • ユーザーインターフェイスを表すコンポーネント
  • Modelから渡されたデータを元にUIを生成する
  • 具体例: Ruby on RailsのERBテンプレート、Javaの JSP、ASP.NET MVCのRazorビュー

Controller

  • ユーザーからのリクエストを受け取り、適切な処理を行うコンポーネント
  • Modelからデータを取得し、Viewにデータを渡す役割
  • 具体例: Ruby on RailsのRailsコントローラ、Spring MVCのコントローラクラス

MVCフレームワークではこれらの3つの役割を適切に分離し、疎結合なコーディングを実現します。各コンポーネントの責務が明確化され、保守性と拡張性が高まります。

具体例として、Ruby on Railsのコードを見てみましょう。

Model: app/models/post.rb

class Post < ApplicationRecord
  validates :title, presence: true
  has_many :comments
end

View: app/views/posts/show.html.erb

<h1><%= @post.title %></h1>
<p><%= @post.body %></p>

<h2>Comments</h2>
<% @post.comments.each do |comment| %>
  <div><%= comment.body %></div>
<% end %>

Controller: app/controllers/posts_controller.rb

class PostsController < ApplicationController
  def show
    @post = Post.find(params[:id])
  end
end

この例では、PostsControllerがユーザーリクエストを受け取り、Postモデルからデータを取得しています。そしてViewテンプレートにデータを渡し、HTMLを生成しています。

MVCフレームワークを使うメリットは以下のようなことが挙げられます。

  • ロジックとプレゼンテーションの分離により、コード保守性が高まる
  • コンポーネント単位で責務が明確化されるので、拡張性が高い
  • テスタビリティが向上する(Model、View、Controllerごとの単体テストが可能)
  • DRY(Don’t Repeat Yourself)原則に従えるので、重複コードが減る
  • 豊富なコンポーネントやライブラリを利用できるため、開発効率が上がる

一方、デメリットとしては以下のようなことがあげられます。

  • フレームワークの概念を理解するための学習コストが必要
  • フレームワークに準拠しないと利点が失われる
  • フレームワーク間の移植性が低い(言語に密着したフレームワークが多い)

主要なMVCフレームワークには、Ruby on Rails、Laravel(PHP)、Spring MVC(Java)、ASP.NET MVC (.NET)などがあります。Webシステムだけでなくモバイルアプリなどでも同様のMVCフレームワークが使用されています。大規模プロジェクトにおいては、開発効率とコード品質を高める上で、MVCフレームワークの活用は極めて重要です。

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