WebサーバーにはApacheやNginx、Microsoft IIS、lighttpdなど様々な種類があります。主要なWebサーバーの特徴は以下の通りです。
1. Apache HTTP Server
- オープンソースで最も普及しているWebサーバー
- モジュール設計により高い拡張性
- リバースプロキシ、ロードバランシング、SSLサポートなど多くの機能を備える
- マルチスレッドでリクエストを処理するアーキテクチャ
- Perlや、PHPなどの言語を組み込んで動的コンテンツを生成可能
具体例
# リバースプロキシの設定
ProxyPass "/app" "http://127.0.0.1:8000"
ProxyPassReverse "/app" "http://127.0.0.1:8000"
# ロードバランシングの設定
<Proxy "balancer://appcluster">
BalancerMember "http://app1.example.com:8000" loadfactor=1
BalancerMember "http://app2.example.com:8000" loadfactor=2
</Proxy>
2. Nginx
- イベント駆動アーキテクチャを採用し、高い並列処理性能
- Apache HTTPに比べてリソース消費が少ない
- リバースプロキシとしての利用が主
- ロードバランシング、SSL/TLSの終端など多くの機能を備える
- Webサーバーだけでなく、メールプロキシサーバーとしても利用可能
具体例
# リバースプロキシの設定
location /api/ {
proxy_pass http://backend;
}
# ロードバランシングの設定
upstream backend {
server app1.example.com:8000 weight=1;
server app2.example.com:8000 weight=2;
}
3. Microsoft IIS (Internet Information Services)
- Windowsオペレーティングシステム向けの統合Webサーバー
- Active Directoryとの連携が容易
- ASP.NETやWindows認証を利用したWebアプリの構築に適している
- GUIで簡単に設定でき、Webサイトやアプリケーションホスティングが容易
4. lighttpd
- サーバーリソースを効率的に使う、軽量なWebサーバー
- イベント駆動アーキテクチャを採用
- 設定ファイルが簡単で分かりやすい
- 静的コンテンツ配信に適している
- 機能拡張のためのモジュールが少ない
Webサーバーの選定は、利用目的、扱うコンテンツの種類、想定トラフィック量、開発言語との親和性、既存インフラとの連携などを考慮して行う必要があります。大規模システムではApacheやNginxが多く利用されますが、中小規模ではMicrosoft IISも多く使われています。また、最近ではNginxをリバースプロキシとして、Apacheをバックエンドで利用するような組み合わせも一般的です。